独立している方必見。使わないともったいない!訪問美容で使える助成金・補助金制度

2022.07.19

はじめに

補助金は審査が厳しめで、助成金は書類上、条件を満たせば支給される可能性が高いのが基本的な特徴ですが、両者の基準が明確でないこともあります。
実際に自身に該当するか、条件をよく吟味することが大切です。

これから訪問理美容師として独立を考えている場合やサロン経営に加えて訪問理美容をしようと考えているなら、活用できる助成金・補助金制度を使わないともったいないです。
助成金・補助金制度は国やお住まいの自治体、商工会議所などを通じて申請できますが、常時行われているわけではなく、時期や地域によっても異なります。
助成金・補助金制度について解説していきますので、開業時や事業を拡大するうえで使えそうな助成金や補助金がないか確認してみましょう。

 

 

使った方がいいのはわかるけど、助成金と補助金って何?

助成金や補助金という言葉は、ニュースなどを通じてしばしば見聞きすると思いますが、そもそもどのようなものなのでしょうか。
助成金と補助金はいずれも、国や地方公共団体などが一定の目的で、一定の条件を満たす場合に費用の助成や補助を行う制度です。
助成や補助を受けたい人が申請を行い、一定の手続きや審査を経て支給されるかが決定されます。
国民の税金や住民の税金が財源になっている、公的な支援制度です。
助成金と補助金それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

補助金とは?

補助金は国や地方自治体などが、特定の目的や事業を定め、それを実現するために行う補助制度です。
あらかじめ予算が決められ、その範囲で支給が行われます。

申請期間が定められ、申請が届いた順に条件を満たしているかが審査され、支給するかどうかが決定されます。
申請期間中であっても、当該年度や用意された予算に達すると打ち切りになってしまうため、早めの申し込みがおすすめです。
また、補助金によっては一定の補助事業を実行するための費用を補助するケースもあります。

この場合、補助事業として認定されるかどうかで支給の可否が変わるので注意が必要です。
計画書をしっかりと書くほか、そもそも、補助事業に沿った独自のアイディアで業務効率化や労働改善を行うなどの事業を行う計画を申請し、採択されることで支給が受けられます。

 

事前の準備と事後報告

補助金は制度ごとに設定された条件を満たすことを証明する書類や必要書類を添付して申請を行うことが必要です。
審査では条件を満たしているか、書類上の審査などが行われ、問題がなければ、支給決定がなされます。
ただし、この段階ですぐに支給されないことが一般的です。
補助金制度では、一定の補助事業を行ったことに対して補助を行うため、申請しただけでは足りず、申請内容に従って補助事業を実行することが必要です。
実行した結果などを報告書など、所定の書類に必要書類を添付して申請し、それが通れば、当初決定した補助金が実際に払い込まれる仕組みになっています。

後払いによる注意点

補助が受けられるのはコストを抑えるうえでは望ましいことですが、実は問題点もあります。
それは補助金の多くが、一定の申請事業を実行したことを確認した後の後払いということです。
たとえば、支出した費用の2分の1、かつ上限200万円までを補助するという補助金だったとしましょう。
半分補助が受けられるならと300万円かけて補助事業を行うことにしました。
補助が受けられれば、最終的には150万円で済むことになります。
もっとも、注意したいのは補助金は後払いということです。
まずは申請した内容にもとづき、自分で300万円を準備して補助事業を行い、その完了報告をすると150万円の補助金が後払いされます。
そのため、300万円の準備が難しい場合は、無理に補助金を利用しないほうが良い場合もあります。
補助金の支払いが、支払決定がされてから、半年後、1年後になることも少なくありません。
たとえば、最初に補助事業を行うために資金を用立てるのが難しいために、高金利の融資を借りるなどして返済に困るようなことはないように気を付けましょう。

 

支払いが受けられないケース

申請が通って支給決定がされても、完了報告がなされない場合や完了報告がなされても申請通りなされていない場合、目的外に費用を使ったなど不備や不正があると、支給が取り消されるケースもあるので注意しなくてはなりません。
補助金を受けるために必要な資金を用立てたり、借りたりしたうえに、補助金が受けられないと困ることになります。
補助金の制度概要がわかったところで、訪問美容で使えそうな補助金について見ておきましょう。
実際に使えるかはその方の事業目的や経営スタイル、規模などによっても異なりますので、該当するか、条件を個別に確認してください。

 

小規模事業者持続化補助金<一般型>

小規模事業者が作成した持続的な経営に向けた経営計画にもとづき、地道な販路開拓などの取り組みや地道な販路開拓などとあわせて行われる業務の効率化を支援する目的で、そのために支出する費用の一部が補助される制度です。
地道な販路開拓とは、新たな市場への参入に向けて売り方の工夫をすることや新たな顧客層の獲得に向けて商品の改良・開発などを行うことが例として挙げられています。
サロン経営をしていた方が、新たな顧客獲得のために、高齢者や障がい者市場で訪問理美容をスタートするために独自の方法を考えるなどが考えられます。
その方法を経営計画書など申請書類に具体的に記載し、必要書類などを添付して申請が必要です。
申請書類が揃えば審査に通るわけではなく、申請した経営計画や取り組みが、小規模事業者持続化に定められた内容にマッチすると判断されれば、採択という形で審査に通ります。
採択されないケースも多々あるため、経営計画や取り組みをじっくりと考えて計画を立てることが大切です。

 

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に使える補助金で、いくつか類型があります。

・通常枠(A・B類型)
自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することで業務効率化や売上アップを目指す場合に、経費の一部を補助する補助金です。
自社の置かれた現在の環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題やニーズに合ったITツールを導入することがポイントとなります。
ITツールとは、業務効率化を図るためのソフトウェアやクラウドサービスのことです。
たとえば、CRM(顧客管理)ツールやSFA(営業支援)ツールを用いて、顧客情報の管理や営業の推進を図り、集客や売上アップを目指すような場合に使うことができます。
また、WEB会議システムやパソコンを遠隔利用できるシステムを導入し、自宅や訪問先でも業務ができるテレワーク環境を整備するために活用することも可能です。

・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
中小企業や小規模事業がインボイス対応をはじめとする企業間取引のデジタル化を推進するために、会計ソフトや受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトなどを導入する際に経費の一部を補助する補助金です。

 

助成金

助成金も、国や地方自治体が一定の目的を実現するため、一定の条件を満たす時に申請により支給する制度です。
補助金とは異なり、審査や採択といった手続きはなく、書類上、要件を満たせば支給されるケースが多いです。
あくまでもケースバイケースですので、中には補助金と同様に審査が厳しく行われるケースもあります。

なお、書類上で要件を満たして入れば支給が決定される場合でも、気を付けるべき点があります。
それは、書類のご記入や記入漏れ、不備などです。

書類上、要件を満たせば支給される代わりに、要件を満たしていないと不支給とされることがあるので、申請は慎重に行いましょう。
また、助成金も後払いされるものも多いです。
たとえば、従業員を新たに雇い入れることを助成する場合、実際に雇用して、制度上求められる一定期間雇用し続けた実績を報告し認められないと支給されません。

助成金の制度概要がわかったところで、訪問美容で使えそうな助成金があるか見ておきましょう。
実際に使えるかはその時々の状況や経営スタイルなどによって異なりますので、条件を個別に確認してください。

 

業務改善助成金

中小企業や小規模事業者の生産性の向上を支援することで、事業場内における最低賃金の引き上げを図ることを目的にした助成制度です。
生産性向上のための設備投資を行い、事業場内最低賃金を一定額以上、引き上げることが達成できた場合、設備投資などにかかった費用の一部が助成されるものです。
生産性向上のための設備投資には、たとえば、機械設備や人材育成・教育訓練、コンサルティングを受ける費用などが含まれます。
1人だけでサロン経営をしているケースやフリーランスとして働いている美容師の場合は該当しませんが、サロン経営をしてスタッフを雇っている場合や複数のサロンを経営しているなど事業を拡大している方は使える可能性があります。
主な支給の要件は以下の通りです。

  • 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる賃金引上計画を策定し、就業規則等に規定をすること
  • 実際に引き上げ後の賃金額を支払うこと
  • 生産性向上に資する設備投資を行って費用を支払い、それによって業務改善を行うこと
  • 解雇や賃金引き下げなどの不交付事由に該当しないこと

 

補助金・助成金の共通点

補助金は補助制度の趣旨に添うか、条件に該当するかが厳格に審査され、支給決定後も完了報告が求められるなど、支給を受けるのがやや厳しめという制度でした。
これに対して、助成金は書類上、条件を満たせば支給される可能性が高いとご説明しました。

このように、両者は少し特徴が異なりますが、共通点もあります。
補助金・助成金の共通点としては、いずれも申請が必要なことです。

また、原則として後払いである点も共通しています。
無利息や低利の融資とは異なり、適正に条件を満たして正当に支給がなされれば返還する必要はありません。
なお、実際には補助金と助成金の用語や内容の境界線は不明確です。
助成金と名称が付きながら補助金のように審査が厳しいこともありますし、補助金という名称ながら、書類審査ですぐに支給が認められる場合もあります。

そのため、いずれの制度にしても、支給条件などをしっかり確認し、どのような流れで支給決定がなされ、どのくらいの時期に支給されるのかを事前によく確認しましょう。
そのうえで、自分が条件に該当するのか、申請したほうが有利に働くかを検討したうえで申請するか決めることがポイントです。

 

そもそも、訪問美容を始める際に、どのくらいの費用が必要なの?

訪問美容を始めるにあたって助成金や補助金を使えれば、後払いとはいえコスト面で後々有利にはなります。
もっとも、そもそもどのくらいの費用が必要なのでしょうか。
実際に必要となる費用の目安とどのようなアイテムを揃えるためにかかる費用なのか見ていきましょう。

 

実際に必要な資金はこちら

訪問理美容の開業には必要な資金の目安は、100万円ほどと言われます。
もっとも、この100万円には美容機器などを積んだ訪問車両を用意したり、車で移動するために車を購入したりといった費用なども含む、平均的な費用です。

訪問する地域や訪問スタイルによっては、もっと安く開業することもできます。
たとえば、すでに持っている美容ツールを基本にし、訪問するのに必要なアイテムの買い足しを行う程度で、移動は電車やバス、自転車で行うケースなどです。

仕事を受注するためのホームページも自作する、名刺を刷るくらいという場合なら、40万円~50万円程度、それ以下でも開業可能なケースも考えられます。

これは揃えておくべき!必須のアイテム!

訪問理美容では、あらゆる設備や道具、消耗品が揃ったサロンとは異なり、自ら必要なアイテムを持参しなくてはなりません。
訪問理美容を提供するにあたり、必須となるアイテムを揃えるとともに、うっかり忘れないように気を付けることも大切です。
まず、厚生労働省では衛生管理を徹底するために洗浄や消毒に関して、細かなルールを設定しています。
以下のアイテムは必ず用意しましょう。

  • 洗浄と消毒が済んだはさみなどの理美容器具と、これらのアイテムを衛生的かつ安全に収納できるケース
  • 使用済みのはさみなどの理美容器具を安全に収納できるケース
  • 消毒済みのタオル類とこれらのアイテムを衛生的に収納できるもの
  • うっかり外傷が生じた場合に、救急処置を行うために必要となる薬品や衛生材料
  • 手洗いに必要な石ケンや消毒液

そのほか、訪問先で理美容を提供するために、基本的なカット用具をはじめ、大判のカットクロスやバリカン、カットクロスキャッチャー、トリマー、フェイスシェーバーなども使う機会が多いです。
サロンと環境の異なる自宅や老人ホームの居室などで、速やかに掃除ができるよう、ハンドクリーナーやワイパー、コロコロやゴミ袋なども準備しておきましょう。

より詳しいアイテムについてはこちらの記事に掲載を行っています。

私たち、DICでは訪問美容の開業を支援しています!

これを読むまで、そもそも訪問理美容師という仕事があることすら知らなかったという人も多いのではないでしょうか。

実際、まだまだ日本では訪問理美容師の認知が広がっていないのが現実です。
訪問理美容師になりたい方に向けて、カット技術だけでなく、30年で培った訪問理美容のノウハウを惜しみなく伝えていきます。
協会サイトはこちらから。
https://www.airclipper-association.com/

これを踏まえて、私たちエアクリッパー協会では訪問理美容師の地位を向上しようと努力しています。
訪問理美容師をもっと価値のある仕事にしようというのが当協会の目的です。

そのため、当協会に加入してくださった方には、さまざまな方面からサポートすることをお約束します。
エアクリッパー協会に入会し、協会の仕組みを利用することで、店舗を持たず、フリーランス的にお仕事が可能になるのです。

終わりに

補助金はやや審査が厳しめで、助成金は書類上、条件を満たせば支給される可能性が高いのが基本的な特徴ですが、両者の基準が明確でないこともあります。
申請が必要で、実際に費用を支出してからの後払いや支給タイミングが遅くなることも多いため、条件を満たすかだけでなく、資金計画もしっかり立てたうえで申請するか検討しましょう。

 

 

 

この記事を書いた人
有限会社ディ・アイ・シー

会社案内 昭和61年にヘアーサロンアダムを開業、1年後に出張理美容サービスを開始。7年後にはビューティーサロン「イヴ」を開店とともに、在宅向け出張理美容「アダム&イヴ」を開業。 現在、50施設以上に出張しており、月間約1700人、年間約2万人の調髪をおこなっています。