訪問理美容師必見!!お客様とのトラブルを防ぐための契約書

2022.02.28

 

こんにちは。
有限会社 ディ・アイ・シーの定信です。

訪問理美容サービスを実施する際、特に重要となるのが正式な契約書です。
これからスタートしようとお考えの場合、契約書を作成するなど難しいのではと躊躇されるかもしれません。

ただ、介護施設や病院など施設に訪問理美容サービスを開始する際には、契約はとても大切なプロセスです。
ここでは万が一のトラブルを防ぐため、必須となる契約書の結び方について解説します。

 

営業活動から契約までの実際の流れはこちら

まず、営業活動から契約までどのような流れで進んでいくかをまとめておきましょう。

ステップ1:webやDMによる宣伝

お客様へアプローチするには、まず訪問理美容サービスを行っていることを知ってもらう必要があります。
どういったお客様へアピールしたいかターゲットを決める必要がありますが、Webは広く不特定多数のお客様の目に留まりやすい媒体ですので、ぜひ実施しましょう。
介護施設へは直接伺うのも良い方法ですが、ケアマネージャー事業所はとても数が多いので、DMの発送も効果的です

 

ステップ2:条件交渉

サービス利用を検討しているお客様からご連絡をいただいたら、まずは細かな条件交渉を行いましょう。
ここで最も大切なのは、お客様がどのような要望をお持ちかしっかり引き出すことです。

相手に寄り添い最後までしっかり話を聞くことが大切ですが、だからといって条件面で折れるのはNGです。
特に価格交渉では言いなりになることや安易に料金を下げないことを徹底しましょう。
また、できないことはできないと正直に伝えること、訪問1回にかける所要時間や支払方法などについても細かく交渉することが大切です。

 

ステップ3:契約締結

条件がすべてクリアになれば、後はその内容を契約書にして締結するだけです。
決定した事項、約束事項をすべて文章として明記し双方が確認して納得のうえで締結することになります。

なぜ契約書が必要なのか

ここ数年訪問理美容サービスは急激に数を増やし、それでも飽和状態が続くほど人気を得ています。
理由は少子高齢化社会による高齢者へのサービス需要増ですが、急増の背景には時代によって変化した法律の柔軟化もあるでしょう。
こうした流れで活気を得ている分野ではありますが、それと同時に残念ながらトラブル事例も増えているのです。

訪問理美容でよくあるトラブルはこちら

たとえば、訪問理美容サービスでは金銭に関するトラブルが少なくなく、特に認知症をお持ちのお客様や意思疎通が困難なお客様との齟齬が発生することがあります。

こうした場合、あらかじめ料金や支払方法(振込か現金か)、支払日、訪問日程や1回の所要時間、施術方法や設備などについて書面があるかどうかは非常に重要です。

必要であれば施術の際、必ず本人の家族や介護士など第三者が同席する、領収書を発行するといった決めことを設けそれを契約書に盛り込んでおくなどの工夫が身を守ることになります。

介護度が高い方の場合には思わぬケガなどのリスクも避けられませんし、理美容は刃物を扱う以上、あらゆる面で対策を講じておくに越したことはないと言えるでしょう。
契約書を作成することは、お客様も自分自身も守ることにつながると理解することが大切です。

 

どのタイミングで契約書を交わすのか

先ほど営業から契約の流れでも触れましたが、契約書を交わすタイミングは条件交渉がすべてクリアになった段階です。
お客様から相談を受けたら、まずはしっかり相手の話を聞き、どのような要望があるかを引き出しましょう。

提案は要点をまとめてわかりやすく伝え、応えられる要望とどうしても応えることが難しい要望とを明確に分けて正直に説明してください。
こうした話し合いの中で解決すべき課題や施すべき工夫などが明確になり、お互いが納得できる約束事が形作られていきます。
契約書は、この細かな約束事を書面にまとめたものです。

条件交渉が終わり、お客様がサービス提供を希望されるなら、契約書の作成はさほど難しいことではありません。
もちろん締結は、1回目のサービス実施前に完結しておくことが重要です。

書面ができたら必要事項を双方ですべて確認し納得したうえで署名し、同じものを双方で保管する形になります。
条件交渉は済んでいるのだから良いだろう、書類は追々で良いだろうというような状況で、サービスだけを先行するようなことはしないようにしてください。

 

 

契約書で必ず必要な項目

それでは実際に契約書を作成するうえで、必ず必要となる項目についてまとめておきましょう。
もちろん、契約はケースバイケースですし、お客様一人ひとりによって盛り込まなければならない内容は千差万別です。

ただ、大きな目安として、訪問理美容サービスを提供するなら確認しなければならない基本的な事項があります。
それぞれを見ていきましょう。


価格消費税

理美容サービスにかかる料金を明確に記載する必要があります。

カットやパーマ、シャンプーなど基本的なサロンのメニューがベースになりますが、出張費など訪問理美容サービスならではの必要項目がありますので注意しましょう。

たとえば、ベッドから起き上がれない方の場合、ベッドの上で施術する必要があります。
通常よりも準備が必要ですし、セッティングや後片付けなどの作業も発生するため、この場合葉別料金を設定する業者も少なくありません。
介護施設のお客様と条件交渉する際には、こうした方の割合や車いす利用の方の割合、介護度の高い方の割合などもきちんと確認したうえで価格設定しましょう。

介護職員の協力がどの程度得られるかも重要です。
また、施術場所はどういった場所になるのか、水回り、電源、位置関係などの条件も盛り込みましょう。
所要時間も価格にダイレクトに反映されますので、時間の概念も必要不可欠です。

 

支払い方法

先にも触れましたが、料金だけ決めても、いつどのような形で支払われるかが曖昧では片手落ちです。

当日その場で現金支払になるのか後日振込になるのかも重要ですが、施設の場合施術したお客様個人からいただくのか、それとも施設側から一括になるのかも重要です。

現金でやり取りする場合は、領収書の有無も確認しましょう。
振込の場合は振込手数料をどちらが負担するか、いつどのタイミングで振込になるかも項目に入れておく必要があります。
契約書に支払期日も明記しておきましょう。

その場ではなく翌月まとめて集金するという方法もありますが、その場合は集金のタイミングも明記してください。
いつ、どこでどのようにして、いつの施術分を集金するか、細かく項目を盛り込むことが大切です。

 

訪問日程

多くの場合、1年間の訪問施術日程を固定し、契約書の項目として記載します。

たとえば「毎月第三水曜日」といったような指定にしておけば、汎用性を保ちながら日程を固定することが可能です。
また、契約書には契約締結日を記載しますが、同時に初回訪問日と人数、施術内容も記載しておくと後の覚えになります。

契約書とは別に施術を受ける方のリストを施設から提出してもらい、あわせて保管しておくと良いでしょう。
これらの項目のほか、お客様ごとに必要とされる事項を盛り込み、契約書としてまとめます。
わかっていてもうっかり抜けがちなのは「消費税」や「振込手数料」の項目で、事前にしっかり打ち合わせたうえで記載しておかないと後でトラブルになることがあります。

契約においては、口約束や「察してくれるだろう」「わかっているだろう」は厳禁です。
すべて明確に文章にして記載し、後から見直した時に明確に答えが出るような書面にしておくことが重要です。

 

まとめ

契約書は双方が確認して納得のうえで締結することが1番重要です。
契約書を作成するということは、お互いを守り、お互いが気持ち良くやりとりを行うために、必ず必要なものになってきます。

リスクの分担や回避を取り決めることであり、当事者間で発生する可能性のある紛争を予防するといった役割を果たすことができます。
お互いで協議しあって進めることを意識しましょう。

契約書の書き方の参考記事はこちら

 

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この記事を書いた人
有限会社ディ・アイ・シー

会社案内 昭和61年にヘアーサロンアダムを開業、1年後に出張理美容サービスを開始。7年後にはビューティーサロン「イヴ」を開店とともに、在宅向け出張理美容「アダム&イヴ」を開業。 現在、50施設以上に出張しており、月間約1700人、年間約2万人の調髪をおこなっています。